料理人としての資質

かれこれ10年以上料理の世界に身をおいていて最近よく思うことは、料理人としての資質とは持って産まれた才能よりも産まれてからこれまでの経験の方が重要であり、しかも幼少期の食生活は料理人にとって非常に大切な経験なのではないかということです。
それは自分を例にしてみると、それは紛れもなく母の教育であり毎日の食生活において、好き嫌いはもちろん許されることは無く、もしも何か嫌いなどと口にするようならば毎日の食卓にそれが並ぶのです。好きと言うまでです。
しかしその母の教育のおかげで全くと言っていいほど好き嫌いは無く育ちました。
料理人にとって食べるのが苦手なものや嫌いなものがあるということは、その食材の美味しさがわからないのでどう料理に活かせばいいのか、食べる人がどう感じるのかが全くと言っていいほどわからないのです。
料理人の中にも沢山居てるんです、好き嫌いのある人が‥‥
そしてもうひとつ。
これは今になって思えば、いつか我が子が料理人をするとわかっていたのでしょうか。
子供のころ母の手料理は常に薄味でした。子供だった私は『これ味無いよ』と言いました。すると母は『玉ねぎは玉ねぎの味がするやろ?ピーマンはピーマンの味がするやろ?』と答えました。子供の私は意味がわかるはずありませんでしたが、今ならその意味が痛いほどわかります。母の真意はわかりませんが、そのおかげで今の私が料理人として様々な食材の味を操ることが出来るのだと思いました。
料理人は自分の感覚が頼りです。自分が美味しいと思う料理を作ります。私が作った料理が沢山のお客様に美味しい、これどうやって作るの?って言って頂けてるのは幼少期の母の教育があったからだと思います。
そして今、本当に沢山のお客様に黒天KURO-TENの料理を喜んで頂けてるのは両親から授かった才能のおかげだと思います。

Yuhi
P.S 黒天KURO-TENではアルバイトや社員にまかないがありますが、好き嫌いは一切受け付けません。
家から外に出て好き嫌いを言うことは親の恥だと教育しています。人に作って貰った料理に好き嫌いを言うことは許しません。自分でお金を払った料理に対して言いなさいと‥‥

Yuhi's Blog

みなさんこんにちは!(こんばんは?) 黒天KURO-TEN店長の黒部雄飛(くろべゆうひ)です。 料理人として ソムリエとして ミュージシャンとして また経営者としての様々な視点からのブログです。 プチワイン講座や料理のレシピ、音楽活動、 各店舗のイベントやささいなスタッフの出来事まで ほぼ日記???のように更新していきたいと思います。 皆様末永くよろしくお願いします!!!